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眠れない日が続いているけど、これって「不眠症」なの?

「不眠症」は日本人の約20%が抱える、れっきとした疾患なんだ
眠れない日が続いている。
でも「不眠症」と言えるほどひどいのかわからない。
病院に行くべきなのか判断できない。
このページでは、そういった人のために、不眠症の定義・診断基準・タイプ・原因・治療法をわかりやすく解説します。
不眠症とは?定義と診断基準

不眠症(insomnia)とは、適切な睡眠の機会と環境があるにもかかわらず、睡眠の問題が続いて日常生活に支障をきたしている状態です。
「眠れない」という訴えだけでなく、以下の条件が揃って初めて不眠症と診断されます。
- 睡眠の問題(寝つきが悪い・夜中に目が覚める・朝早く目が覚める・眠った気がしない)が週3日以上ある
- その状態が3ヶ月以上続いている(慢性不眠症の場合)
- 日中に眠気・集中力低下・気分の障害・仕事への支障など、生活への影響が出ている
- 他の疾患・薬・物質が原因でない
- 入眠障害:寝つくまでに30分〜1時間以上かかる
- 中途覚醒:夜中に何度も目が覚める(最も多いタイプ)
- 早朝覚醒:希望より2時間以上早く目が覚めてそのまま眠れない
- 熟眠障害:眠れてはいるが眠った感じがしない

不眠症の主な原因

- 身体的原因:痛み・かゆみ・頻尿・呼吸困難など
- 生理的原因:時差・交代勤務・環境変化など
- 心理的原因:ストレス・不安・「眠れない恐怖」など
- 精神医学的原因:うつ病・不安障害・PTSDなど
- 薬理学的原因:カフェイン・アルコール・薬の副作用など

放置したままにすると…

「眠れないのは体質だから仕方ない。」
「そのうち治るだろう。」
そう思いながら、不眠症を放置していませんか。
不眠症は適切な治療がなければ10年単位で継続する可能性があります。
また、慢性化するほど、うつ病・糖尿病・高血圧・心疾患との関連が高まることが研究で示されています。
「眠れないだけ」ではなく、健康全体に影響する疾患として早めに対処することが大切です。

不眠症の治療法

睡眠衛生の改善・CBT-I(不眠に対する認知行動療法)が第一選択とされています。
CBT-Iは薬物療法と同等かそれ以上の長期的効果があるとされており、薬への依存を作らない点で特に有効です。
内科・心療内科・睡眠外来で受けられる場合があります。
非薬物療法で改善しない場合・症状が重い場合は薬物療法が選択されます。
近年はオレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント・レンボレキサント)など依存性の低い新しい薬が登場し、治療の選択肢が広がっています。
自己判断での服用・断薬は危険です。必ず担当医の指示に従ってください。
うつ病・睡眠時無呼吸症候群・むずむず脚症候群など他の疾患が原因の場合は、その疾患の治療が不眠の改善に直結します。
「眠れない」という症状だけを治療するより、原因を特定して治療することが根本解決への近道です。

よくあるQ&A

- Q不眠と不眠症はどう違いますか?
- A
「不眠」は眠れない状態の総称、「不眠症」は週3日以上・1ヶ月以上続いて日常生活に支障が出ている医学的な疾患です。
たまに眠れない夜があるのは「不眠」ですが、それが慢性化して生活に影響が出ている状態が「不眠症」です。
※個人差あり
- Q不眠症は自然に治りますか?
- A
ストレスなど一時的な原因による短期不眠症は、原因が解消されれば自然に改善することがあります。
しかし慢性不眠症(3ヶ月以上)は放置すると10年単位で継続する可能性があります。早めに対処することが大切です。
※個人差あり
- Q不眠症の検査はどんなことをしますか?
- A
問診(いつから・どんな症状・日中への影響・生活習慣)が中心です。
必要に応じて睡眠日誌の記録・血液検査・睡眠ポリグラフ検査(PSG)が行われます。
「眠れなくて困っている」と伝えるだけで診察は始まります。完璧に準備しなくて大丈夫です。
※クリニックによって異なります

データ

日本大学医学部精神科の鈴木正泰が2020年に発表した報告(日本大学医学雑誌 79巻6号)によると、不眠症状の有病率は日本の成人一般人口の約20%にのぼり、その背景には閉塞性睡眠時無呼吸・むずむず脚症候群・うつ病など多様な疾患が関与していることが示されています。

不眠症の正確な鑑別診断が適切な治療につながるとされており、「眠れない」という症状だけでなく原因を特定することの重要性が強調されています。
また、日本プライマリ・ケア連合学会誌に掲載された八藤英典の報告(2012年)によると、不眠症は適切な診断・加療がなされないと症状が10年単位で長期間継続してしまう可能性があり、一般医を受診する患者の半数以上に睡眠障害が見られるにもかかわらず、患者が自ら訴えることは少なく治療対象となることも非常に少ないとされています。
「眠れない」という状態を放置せず、まず内科・心療内科・睡眠外来への相談が回復への第一歩です。
参照1:鈴木正泰「不眠症状の鑑別診断の進め方」日本大学医学雑誌 79巻6号(2020)日本大学医学部精神科
参照2:八藤英典「不眠症」日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol.35 No.1(2012)北星ファミリークリニック

この記事のまとめ

不眠症は日本人の約20%が抱える、明確な診断基準を持つ疾患です。
「体質」や「仕方ない」で片付けられるものではありません。
まずは睡眠衛生の改善から始め、2週間以上改善しない場合は内科・心療内科・睡眠外来への相談を検討してみてください。
不眠症は適切な治療で改善できる疾患です。
一人で抱えず、まず相談することが回復への第一歩です。




