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アデノシンって何?

眠気を作る物質のことだよ
どうして長時間起きていると、眠くなるんだろう。
どうしてコーヒーを飲むと、眠気が消えるんだろう。
そんな疑問を抱いたことはありませんか。
「眠くなる仕組み」の核心にある物質であるアデノシンの働きと、睡眠との関係を紹介します。
同じ悩みを持つ人の声
Yahoo!知恵袋には、以下のような投稿が多数寄せられています。

“ なぜ布団に入ると眠くなるんでしょう。 ”
“ 夜に緑茶などのカフェイン含有飲料を飲むと寝ようと思っても眠れないということがありました。 ”
“ コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインはほんとに効きますか?(眠気が飛びますか?) ”
といった、コーヒーを飲むとなぜ眠気が消えるのか気になるという内容の投稿に多くの共感が集まっています。
特にカフェインの効き方に個人差がある人ほど、その仕組みが気になりやすいようです。

アデノシンとは

アデノシンとは、脳内で産生される神経調節物質です。

起きている間、脳がエネルギーを消費するとアデノシンが蓄積されていきます。
アデノシンが増えるほど眠気が強くなる仕組みを「睡眠圧」と呼びます。
睡眠をとるとアデノシンが分解されて眠気がリセットされます。

カフェインはアデノシンをブロックする

カフェインはアデノシンと構造が似ているため、脳内のアデノシン受容体に結合してアデノシンの作用をブロックします。
アデノシンがブロックされると眠気のシグナルが脳に届かなくなって目が覚めた状態になります。
ただし、カフェインはアデノシンを分解するわけではないため、カフェインが切れると蓄積したアデノシンが一気に作用して強い眠気が来ます。
これが「コーヒーの効果が切れた後に急に眠くなる」現象の理由です。

アデノシンと眠れない夜の関係


昼寝をするとアデノシンが分解されて睡眠圧がリセットされます。
長時間の昼寝・夕方以降の昼寝は夜までにアデノシンが十分に蓄積せず、就寝時に眠気が足りない状態になります。
昼寝は15〜20分・午後2時までが適切とされています。
カフェインの半減期は約5〜6時間です。
夕方に摂取したカフェインが就寝時もアデノシン受容体をブロックし続けて、眠気のシグナルが届かなくなります。
「夜になっても眠気が来ない」という場合はカフェインの影響のことがあります。

データ

虎の門病院の富田康弘らが2025年に発表した報告(睡眠医療ネクサス Vol.1 No.3)によると、アデノシンは覚醒中の脳エネルギー代謝の副産物として蓄積して睡眠圧を形成する主要な物質とされており、睡眠によって分解されることで次の日の覚醒を支えることが示されています。
カフェインはアデノシン受容体を競合的に阻害して眠気を一時的に抑制されますが、アデノシン自体は分解されないため効果が切れた後に強い眠気が出現することが示されています。
また、愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センターの岡靖哲らが2025年に発表した報告(睡眠と環境 Vol.19 No.1)では、午後2時以降の長時間昼寝がアデノシンの蓄積を妨げて夜間の睡眠の質を低下させることが示されており、昼寝は15〜20分以内・午後2時までが推奨されています。
引用元:
睡眠と環境 Vol.19 No.1(2025)
「睡眠習慣改善と不眠治療の新たなトレンド」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsleepenvi/19/1/19_50/_article/-char/ja引用元:
睡眠医療ネクサス Vol.1 No.3(2025)
「睡眠関連呼吸障害」(医療者のための睡眠医学入門 第3回)
https://jssr.jp/files/nexus/20251225-08.pdf
引用元:
富田康弘ら「医療者のための睡眠医学入門 第2回 不眠症」睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2(2025)久留米大学医学部神経精神医学講座
http://www.jssr.jp/files/nexus/20250925-07.pdf
引用元:
岡靖哲ら「睡眠習慣改善と不眠治療の新たなトレンド」睡眠と環境 Vol.19 No.1(2025)愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsleepenvi/19/1/19_50/_article/-char/jaこの研究の紹介者:岡 靖哲(おか やすのり)氏
詳しいプロフィールを見る+
所属:
愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター長・教授
学位:
修士(医学)ロンドン大学
経歴:
京都大学医学部卒、京都大学大学院で脳病態生理学・臨床神経学を専攻。
英国ロンドン大学で臨床神経科学修士を取得後、英国セントトーマス病院 睡眠医療センターで研究員(2000~2001年)を務め、現在は愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター長
資格:
日本睡眠学会 総合専門医/日本神経学会 神経内科専門医
研究ジャンル:
睡眠医療、不眠症治療、概日リズム睡眠障害愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター(公式サイト)
岡靖哲 研究者ページこの研究の紹介者:富田 康弘(とみた やすひろ)氏
詳しいプロフィールを見る+
所属:
虎の門病院 睡眠呼吸器科 医長(循環器センター内科兼任)
出身:
東京大学医学部卒業
学位:
博士(医学)順天堂大学大学院医学研究科
経歴:
東京大学医学部卒業後、虎の門病院で循環器・睡眠医療の臨床に従事。
順天堂大学大学院で医学博士を取得し、現在は東京大学大学院医学系研究科の特任研究員、順天堂大学医学部の非常勤助教も兼任
資格:
総合内科専門医・指導医/日本睡眠学会総合専門医・指導医/循環器専門医・指導医
研究ジャンル:
睡眠関連呼吸障害、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、CPAP治療

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この記事のまとめ

アデノシンは起きている間に蓄積して眠気を作り、睡眠中に分解されてリセットされます。

対処法
・カフェインはアデノシンをブロックして眠気を一時的に消す
・長時間や夕方の昼寝はアデノシンの蓄積を妨げて夜眠れなくなる
・夕方以降のカフェインは就寝時のアデノシン作用をブロックして眠れなくなる
「なぜ眠れないのか?何が眠気を妨げているのか?」
その仕組み自体を知ることで、対処法を選択しやすくなります。

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