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CBT-Iって何…?

薬を使わずに不眠を改善する
認知行動療法のことなんだ
「CBT-I」という言葉を聞いたことはありますか。
不眠症の治療で「薬以外の方法」として最も研究されているアプローチですが、日本ではまだあまり知られていません。
CBT-Iとは何か、どんな人に向いているかを紹介します。
CBT-Iとは

CBT-Iとは「Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia」の略で、日本語では「不眠症に対する認知行動療法」と呼ばれます。
不眠を引き起こしている「考え方のクセ(認知)」と「行動パターン」の両方にアプローチして、薬に頼らずに眠れる状態を取り戻すことを目的とした治療法です。
アメリカ睡眠医学会・欧州睡眠研究学会など主要な学会で「慢性不眠症の第一選択治療」として推奨されています。
CBT-Iの主な技法

「眠れないのにベッドで長時間過ごす」習慣が不眠を慢性化させます。
睡眠制限法では、最初は短めに設定した就寝時間から少しずつ延ばしていくことで、「ベッド=眠れる場所」という条件付けを取り戻します。
最初は眠気が強くなるため専門家の指導のもとで行うことが推奨されています。
「ベッドは眠る場所・性行為のみに使う」というルールを徹底して、ベッドと睡眠の条件付けを強化します。
眠れない時は20〜30分経ったらベッドを出て、眠気が来たら戻るというルールが基本です。
「今夜眠れなかったら明日仕事にならない」「8時間眠れないとダメだ」という思い込みが不安を強めて不眠を悪化させます。
認知再構成ではこうした考え方のクセを見直して、より現実的な睡眠への向き合い方を身につけます。
漸進的筋弛緩法・呼吸法・マインドフルネスなどで就寝前の過覚醒状態を和らげます。
身体の緊張をほぐして副交感神経を優位にすることで、入眠しやすくなります。
毎朝同じ時間に起きる・就寝前のカフェイン・スマホを避ける・適度な運動をするなど、睡眠の質を高める生活習慣の整え方を学びます。
CBT-Iが向いている人

- 睡眠薬を使わずに不眠を改善したい
- 睡眠薬を飲んでいるが減らしたい・やめたい
- 3ヶ月以上眠れない状態が続いている
- 「眠れなかったらどうしよう」という不安が強い
- ベッドに入ると余計に目が覚める感覚がある
睡眠薬との違い

睡眠薬はすぐに効果が出やすい一方、依存・耐性・翌日の眠気などの問題があります。
CBT-Iは効果が出るまでに数週間かかりますが、治療終了後も効果が持続しやすく再発率が低いとされています。
「根本から眠れる体を取り戻す」という点でCBT-Iは睡眠薬より長期的な効果が期待できます。
データ

愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センターの岡靖哲らが2025年に発表した報告(睡眠と環境 Vol.19 No.1)によると、CBT-Iは慢性不眠症に対して睡眠薬と同等以上の効果を持ち、治療終了後も効果が持続しやすい点で優れているとされています。
睡眠制限法・刺激制御法・認知再構成・リラクゼーション法・睡眠衛生指導を組み合わせた包括的なアプローチが、慢性不眠の根本的な改善につながるとされています。
また、久留米大学の富田康弘らが2025年に発表した報告(睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2)では、CBT-Iが不眠症の第一選択治療として国際的に推奨されており、日本でも普及が進んでいることが示されています。
オンラインCBT-I(デジタル版)の有効性も認められており、専門医へのアクセスが難しい場合の選択肢としても注目されています。
引用元:岡靖哲ら「睡眠習慣改善と不眠治療の新たなトレンド」睡眠と環境 Vol.19 No.1(2025)愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター
引用元:富田康弘ら「医療者のための睡眠医学入門 第2回 不眠症」睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2(2025)久留米大学医学部神経精神医学講座

この記事のまとめ

CBT-Iは「考え方」と「行動」の両方から不眠を根本的に改善する、薬に頼らない治療法です。
- 慢性不眠の第一選択治療として国際的に推奨されている
- 睡眠薬より再発率が低く効果が持続しやすい
- 睡眠日誌・リラクゼーション法など自分でできる部分から始められる
3ヶ月以上眠れない・薬を減らしたいという場合は、睡眠外来・心療内科でCBT-Iについて相談してみてください。
眠れない状態を「体質だから仕方ない」と諦める前に、まだ試せる選択肢と改善の可能性があることを覚えておいてください。




