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睡眠相後退症候群って何?

体内時計が後ろにずれて眠れなくなる状態のことなんだ
夜中の2〜3時にならないと眠くならない。
朝になっても眠れなくて、昼ごろにやっと眠れる。
「夜型の体質」だと思っていたけど、実は病気かもしれない。
睡眠相後退症候群とは何か、原因と改善策を紹介します。
睡眠相後退症候群とは

睡眠相後退症候群(DSPD:Delayed Sleep Phase Disorder)とは、体内時計が通常より大幅に後ろにずれてしまい、極端に遅い時間帯にしか眠れなくなる睡眠障害です。
「夜中の2〜4時にならないと眠れない・朝10〜12時ごろにやっと眠くなる」というパターンが典型的です。
本人は「夜型の性格」と思いがちですが、体内時計そのものがずれているため、意志の力で早起きしようとしても眠れない・眠れたとしても強烈な眠気が続くという状態になります。
主な原因

体内時計のリズムには遺伝的な個人差があります。
DSPDは家族内で発症しやすいことが知られており、遺伝的素因が関係していると考えられています。
夜遅くまでの強い光・スマホのブルーライトがメラトニンの分泌を抑制して、体内時計をさらに後退させます。
遺伝的素因がある人が夜型の生活を続けることで症状が悪化しやすくなります。
DSPDは10〜20代に最も多く見られます。
思春期には体内時計が自然に後退する傾向があり、それが慢性化してDSPDに移行することがあります。
改善策

起床後すぐに外に出て朝の光を浴びることが、体内時計を前に戻す最も基本的な方法です。
カーテンを開けて自然光を取り込むだけでも効果があります。
光療法(高照度光療法)を専門機関で受けることも有効とされています。
- 就寝2時間前からスマホ・強い照明を避ける
- 照明を暖色・間接照明に落とす
- ブルーライトカットメガネを活用する
自力での改善が難しい場合は睡眠外来への相談が助けになります。
光療法・メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)・時間療法(少しずつ就寝時間を前倒しする)などの治療法があります。
データ

久留米大学の富田康弘らが2025年に発表した報告(睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2)によると、睡眠相後退症候群は概日リズム睡眠・覚醒障害のひとつとして分類されており、体内時計のずれが慢性的な入眠困難・朝の覚醒困難を引き起こすことが示されています。
光療法・メラトニン受容体作動薬・時間療法を組み合わせた治療が有効とされており、自己判断での対処には限界があることから専門機関への相談が推奨されています。
また、愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センターの岡靖哲らが2025年に発表した報告(睡眠と環境 Vol.19 No.1)では、朝の光刺激が体内時計を前進させる最も重要な環境因子とされており、起床後すぐの自然光への暴露が睡眠相の正常化に有効とされています。
引用元:富田康弘ら「医療者のための睡眠医学入門 第2回 不眠症」睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2(2025)久留米大学医学部神経精神医学講座
引用元:岡靖哲ら「睡眠習慣改善と不眠治療の新たなトレンド」睡眠と環境 Vol.19 No.1(2025)愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター

この記事のまとめ

睡眠相後退症候群は「夜型の性格」ではなく、体内時計が後退した状態です。
- 起床後すぐに外に出て朝の光を浴びる
- 就寝2時間前からスマホ・強い照明を避ける
- 自力での改善が難しい場合は睡眠外来へ
「夜型だから仕方ない」と諦める前に、体内時計へのアプローチを試してみてください。
生活習慣の改善で難しい場合は、光療法や薬物療法という選択肢があります。




