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メラトニンって何?

体に「今は夜だよ」と伝える睡眠ホルモンのことなんだ
「メラトニン」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
「睡眠ホルモン」と呼ばれているけど、実際に何をしているのかよくわからない。
メラトニンとは何か、何が分泌を妨げるのか、自然に増やす方法を紹介します。
メラトニンとは

メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計のリズムに合わせて「今は夜だ」というシグナルを全身に伝えます。
暗くなると分泌が増えて眠気を促し、明るくなると分泌が抑制されて覚醒を促します。
「眠くなる」直接の原因ではなく、「今は眠る時間帯だ」と体に知らせる時計の役割を担っています。
メラトニンの分泌を妨げるもの

メラトニンの分泌は光に最も強く影響を受けます。
特にスマホ・タブレット・LED照明から出るブルーライトは、脳に「まだ昼間だ」と認識させてメラトニンの分泌を大幅に抑制します。
就寝2〜3時間前からの強い光の暴露が最も影響が大きいとされています。
カフェインはメラトニンの前駆体であるセロトニンの代謝に影響します。
アルコールは入眠を助けるように見えますが、メラトニンの分泌リズムを乱して夜間の目覚めを増やします。
メラトニンの分泌量は加齢とともに減少します。
高齢になるほど夜間のメラトニン分泌が少なくなり、眠りが浅くなる・早く目が覚めるという症状が現れやすくなります。
メラトニンを自然に増やす方法

起床後に朝の光を浴びることでセロトニンが分泌されます。
セロトニンは夜になるとメラトニンに変換されるため、朝の光が夜のメラトニン分泌を準備します。
「朝に光を浴びると夜に眠れる」という仕組みはこのためです。
- 就寝1〜2時間前からスマホ・強い照明を避ける
- 照明を暖色・間接照明に切り替える
- アイマスクで就寝時の光を遮断する
メラトニンの原料はアミノ酸のトリプトファンです。
トリプトファンを多く含む食品(バナナ・牛乳・豆腐・ナッツ類など)を朝食・昼食に摂ることで、夜のメラトニン分泌を助けることがあります。
データ

愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センターの岡靖哲らが2025年に発表した報告(睡眠と環境 Vol.19 No.1)によると、メラトニンは体内時計の中枢である視交叉上核に作用して概日リズムを調整するホルモンとされており、就寝前のブルーライト暴露がメラトニン分泌を1〜3時間遅延させることが示されています。
「朝に光を浴びる・夜に光を減らす」という生活習慣の両輪がメラトニンの正常な分泌リズムを維持する基本とされています。
また、久留米大学の富田康弘らが2025年に発表した報告(睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2)では、メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)が体内時計の調整に有効な薬物療法として位置づけられており、特に概日リズムのずれを伴う不眠症・高齢者の不眠に効果があるとされています。
引用元:岡靖哲ら「睡眠習慣改善と不眠治療の新たなトレンド」睡眠と環境 Vol.19 No.1(2025)愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター
引用元:富田康弘ら「医療者のための睡眠医学入門 第2回 不眠症」睡眠医療ネクサス Vol.1 No.2(2025)久留米大学医学部神経精神医学講座

この記事のまとめ

メラトニンは「眠くなるホルモン」ではなく「今は夜だ」と体に伝える時計の役割を持つホルモンです。
- 朝起きたらすぐに外に出て光を浴びる
- 就寝1〜2時間前からスマホ・強い照明を避ける
- バナナ・牛乳・豆腐などトリプトファンを朝食に摂る
メラトニンは薬やサプリで補う前に、生活習慣で自然に増やせることがあります。
「朝に光・夜に暗さ」を意識するだけで、眠りのリズムが正しくチューニングされていきます。




