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夜中に何度も目が覚めてしまう…

中途覚醒は不眠症の中で最も多いタイプなんだ
夜中に何度も目が覚める。
トイレ・物音・暑さ・不安など理由はさまざまだが、一度目が覚めると眠れなくなってしまう。
「中途覚醒」という言葉を聞いたことはあるけど、自分がそれに当たるのかわからない。
このページでは、中途覚醒の定義・原因・放置した場合のリスク・今から試せる対処法を紹介します。
中途覚醒とは?

中途覚醒(ちゅうとかくせい)とは、睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態のことです。
不眠症には主に4つのタイプがあります。
- 入眠障害:寝つくまでに30分〜1時間以上かかる
- 中途覚醒:睡眠中に何度も目が覚め、なかなか眠れない
- 早朝覚醒:希望より2時間以上早く目が覚めてそのまま眠れない
- 熟眠障害:眠れてはいるが、眠った感じがしない・疲れが取れない
「夜中に1〜2回トイレに起きる程度」は加齢とともに自然な変化ですが、「目が覚めた後に30分以上眠れない」「何度も目が覚めて眠った気がしない」という状態が週3日以上・1ヶ月以上続く場合は、治療が必要な不眠症と判断されることがあります。

中途覚醒の主な原因

中途覚醒の原因は大きく5つに分類されます。
頻尿・痛み・かゆみ・咳・息苦しさなど、身体症状によって目が覚めるパターンです。
睡眠時無呼吸症候群(いびき・無呼吸)・むずむず脚症候群・逆流性食道炎・更年期のほてりなどが代表的な原因です。
ストレス・不安・うつ・PTSD(心的外傷後ストレス障害)などが、眠りを浅くして中途覚醒を引き起こします。
特にうつ病では早朝覚醒と中途覚醒が典型的な症状として現れます。
アルコール・カフェイン・スマホの夜間使用・不規則な生活リズム・騒音・室温の乱れなどが眠りを浅くします。
特にアルコールは入眠を早める一方で睡眠後半のレム睡眠を減らし、中途覚醒を増やすことが知られています。
加齢とともに深い睡眠(ノンレム睡眠)が減り、眠りが浅くなって中途覚醒が増えます。
60代以上では中途覚醒が最も多い不眠のタイプになります。「歳のせい」と思っていても、治療で改善できることがほとんどです。
降圧剤・抗うつ薬・ステロイドなどの薬の副作用、双極性障害・統合失調症などの精神疾患も中途覚醒の原因になります。
服用中の薬がある場合は、担当医に「夜中に目が覚えやすくなった」と伝えてみてください。

放置したままにすると…

「夜中に目が覚めるくらい誰でもある。」
「歳のせいだから仕方ない。」
そう思いながら、中途覚醒を放置していませんか。
中途覚醒による慢性的な睡眠不足は、日中の集中力・判断力・免疫・気分に広く影響します。
また放置することで不眠症が慢性化し、うつ病・生活習慣病との関連が高まることが研究で示されています。
「眠れない→日中つらい→夜また眠れない」という悪循環に入る前に、早めに対処することが大切です。

中途覚醒の対処法

原因によって対処法が異なりますが、まず試してほしいことを紹介します。
- 就寝前のアルコール・カフェイン・スマホを避ける
- 起きる時間を毎日一定にして体内時計を整える
- 寝室の温度(夏26〜28℃・冬18〜20℃)・湿度(50〜60%)を整える
- 目が覚めた時にスマホ・時計を見ない
- 「眠れなくても横になるだけで体は休まる」と焦りを手放す
- 4-7-8呼吸法でゆっくり副交感神経に切り替える
(4秒吸って、7秒止めて、8秒で吐く) - 20〜30分眠れない場合は一度布団から出て別の部屋で過ごし、眠気が来てから戻る
- 2週間以上週3日以上続いて日常生活に支障が出ている
- いびきが激しい・日中に強烈な眠気がある
(睡眠時無呼吸症候群の可能性) - 気分の落ち込み・意欲低下・食欲不振が重なっている
(うつの可能性)

よくあるQ&A

- Q夜中に1回目が覚めるのは中途覚醒ですか?
- A
1回目が覚めること自体は正常な睡眠サイクルの一部です。
問題になるのは「目が覚めた後に30分以上眠れない」「何度も繰り返す」「日中に支障が出る」場合です。
週3日以上・1ヶ月以上続く場合は不眠症として治療の対象になります。
※個人差あり
- Q中途覚醒と早朝覚醒の違いは何ですか?
- A
中途覚醒は睡眠中に何度も目が覚める状態、早朝覚醒は希望より2時間以上早く目が覚めてそのまま眠れない状態です。
どちらも不眠症のタイプのひとつで、同時に起きることもあります。
早朝覚醒はうつ病の典型的な症状のひとつでもあります。
※個人差あり
- Q中途覚醒は自分で治せますか?
- A
生活習慣が原因の場合は、睡眠衛生の改善で自力で改善できることがあります。
ただし睡眠時無呼吸症候群・うつ・身体疾患が原因の場合は、自己対処だけでは限界があります。
2週間以上改善しない場合は内科・心療内科・睡眠外来への相談を検討してみてください。
※個人差あり

データ

日本大学医学部精神科の鈴木正泰が2020年に発表した報告(日本大学医学雑誌 79巻6号)によると、不眠症状の有病率は日本の成人一般人口の約20%にのぼり、その中でも中途覚醒は最も頻度の高い不眠症状のひとつとされています。
中途覚醒の背景には閉塞性睡眠時無呼吸・うつ病・周期性四肢運動障害など多様な疾患が関与していることが示されており、症状の原因を正確に鑑別することが適切な治療につながるとされています。
また、日本プライマリ・ケア連合学会誌に掲載された八藤英典の報告(2012年)によると、不眠症は適切な診断・加療がなされないと症状が10年単位で長期間継続してしまう可能性があるとされており、中途覚醒も早期に対処することが慢性化を防ぐ最も確実な方法とされています。
参照1:鈴木正泰「不眠症状の鑑別診断の進め方」日本大学医学雑誌 79巻6号(2020)日本大学医学部精神科
参照2:八藤英典「不眠症」日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol.35 No.1(2012)北星ファミリークリニック

この記事のまとめ

中途覚醒は不眠症の中で最も多いタイプで、身体・心理・生活習慣・加齢など様々な原因が関係しています。
まず就寝前のアルコール・スマホをやめる・起きる時間を固定するという基本から試してみてください。
2週間以上改善しない・いびきが強い・気分の落ち込みが重なる場合は、内科・心療内科・睡眠外来への相談を検討してみてください。
中途覚醒は適切な治療で改善できること多いので、安心してください。




